FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

にほんブログ村ランキング
(よろしければクリックしてやってください。)
にほんブログ村 音楽ブログ 編曲・アレンジへ にほんブログ村 漫画ブログ 4コマ漫画へ

モーツァルトの死は必然だったのか

モーツァルトの夭折について語るとき、ほとんどの場合、その死は宿命的であったかのように扱われます。
音楽学者や歴史学者の場合はそうでもないのですが、エッセイストや劇作家、あるいは文学者の手になる作品の中では特に顕著です。
曰く、幼少の頃から欧州各地を旅行して回ったのが彼の肉体の成長の障りとなった…
ウィーンで一本立ちした頃に比べて人気が凋落し、失意のうちに人生への執着も無くした…
だから最後の作品群には死の影が射し、澄み切った諦観が漂っている…
あるいは、宮廷や貴族社会における彼のライバルによって暗殺された…
実際、作曲家の中でモーツァルトの生涯ほど劇的で、まさに「太く短く」を地で行ったようなものはありませんので、これを題材に何か書こうと思えば上記のような話になってしまうのも無理からぬところではあります。
そしてそれを読む現代の私たちにとっても、彼の残したあまりに素晴らしい音楽とともにその生涯に思いを致すには確かにこの方が都合がいいかもしれません。
しかしながら、一人の人の人生の記録といえども、ことは歴史であります。
希薄な根拠でねじ曲げて許されることではないと思うのであります。
事実は、病気になってしまったところ、そのまま亡くなってしまった…のかもしれないのです。
この時代にあっては日常茶飯な人生のあり方であり、つまんないかもしれませんが十分に考えられることなのです。

昨年のNHK大河ドラマ「風林火山」を見ていて、最近のいわゆる歴史ドラマにおいて増しつつあるある傾向を強く感じずにはいられませんでした。
ドラマの中程で、板垣信方という重要なキャラ(武田家第一の武将)が戦死する場面があります。
史実では、武田信玄の若い頃の好敵手・村上義清との間で戦われた上田原の合戦で先鋒を務め、激戦の中で討死したということで、井上靖の原作や映画版においても至極あっさりと描かれています。
実際、戦国時代の合戦にあっては現代の戦争とは異なり、指揮官は最前線で見方の将兵を叱咤しながら危険に身をさらして戦っているので、どんな勇猛な武将でも討死のリスクは避けられないものだったでしょう。
しかし、今回のドラマでは板垣信方を史実以上に立派で強い重要人物として扱ったうえ、演じる俳優・千葉真一の最後の役だという位置づけも手伝って、「合戦で不運にも死んでしまいました」というわけにはいかなくなってしまったようです。
「討死=弱い」という印象がどうしてもついてくるからです。
そのため、死ぬ回の数回前から、「武田家がこの重要な決戦に勝つために犠牲になったのだった」という文脈のもとでストーリーが組み立てられ、戦死は覚悟のことだったかのように描かれ、最後は槍襖(やりぶすま)の中で敵を何十人も道連れにしながらの壮絶な戦死シーンになってしまいました。
映像作品としてのスペクタクルさは称賛すべきなのでしょう。
しかし、ここまでする必要が果たしてあるのかと思ってしまいます。
視聴者の方々は誰もが歴史学者ではありません。
中には歴史ドラマを歴史そのものと思っている人もいると言います。
豊臣秀吉は織田信長の草蛙をふところで温めたと思っているし、源義経はひらりと飛んで弁慶を屈服させたと思っている人たちです。(もっとも、映画「ラストサムライ」を見た人は、さすがに目が覚めたのでは…)
ドラマとして面白くなくなっては元も子もないですが、今回はさすがにやりすぎだと思います。

実際は、彼は合戦で命を落とした、に過ぎないのです。
同じようにモーツァルトの最期も、病気であっけなく、だったのではないでしょうか。
ただし、どちらにしても確証のあることではありません。
結局のところ、この偉大で最も愛され続けるであろう作曲家の死をめぐっては、今後も論争が続くことでしょう。
論争が続いていくこと自体が、そのミステリアスな人気の証であり、後世の私たちにとっては、もしかするとモーツァルトという存在の真実そのものなのかもしれません。


関連記事
スポンサーサイト

タグ: 音楽 クラシック モーツァルト 風林火山 NHK 大河ドラマ 井上靖 千葉真一 歴史小説

にほんブログ村ランキング
(よろしければクリックしてやってください。)
にほんブログ村 音楽ブログ 編曲・アレンジへ にほんブログ村 漫画ブログ 4コマ漫画へ

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

【村上義清】の口コミ情報を探しているなら

村上義清 に関する口コミ情報を探していますか?最新の検索結果をまとめて、口コミや評判、ショッピング情報をお届けしています…

コメント

コメントの投稿


非公開コメント

プロフィール

ヨハン・ミズヴィッチ

Author:ヨハン・ミズヴィッチ
33歳にしてクラリネットを始める。
楽器仲間のあらゆる編成に合わせて編曲してしまうのが趣味。
巷にあふれるBGMが大の苦手で、もっと生演奏が街中で聞かれないかと願っている。
その反面、iPod nanoのヘビーユーザーでもある。
最近は4コマ漫画執筆に熱中。

にほんブログ村ランキング
にほんブログ村 音楽ブログ 編曲・アレンジへ にほんブログ村 漫画ブログ 4コマ漫画へ
(よろしければクリックしてやってください。)
カテゴリー
 

HMV検索
検索する

 iTunes Store(Japan)

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
FC2カウンター
リンク
ブログ内検索
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。