FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

にほんブログ村ランキング
(よろしければクリックしてやってください。)
にほんブログ村 音楽ブログ 編曲・アレンジへ にほんブログ村 漫画ブログ 4コマ漫画へ

モーツァルトと借金

モーツァルトがフリーメイソン仲間の親友ミヒャエル・プフベルクに書いた手紙がたくさん残っている。
ほとんどが膨大な数の、借金の無心の手紙…。
読んでいて悲しくなるほど、可能な限りのおねだり表現が現れては消え…そこには人類史上屈指の大芸術家の面影はまるでない。
晩年、と言っても30歳代前半なのだが、この時期の家計は相当に苦しかったらしく、このことが夭折した天才芸術家としての悲劇性を強調する要素として扱われてきた。
貧困の中で、作品が理解されず寂しく世を去った、というような。
だが最近では、こういった見方は実は19世紀ロマン主義的な人々の期待から作り出された人物像であって、事実はかなり異なっていたことが明らかになりつつある。
多額の借金に追われていたことは確かだが、この時期は収入の方も負けないくらい多かったというのである。
問題なのは支出の多さだが、宮廷や貴族や富裕市民層とのつきあいの中、身なりも住居もある程度豪華なものにしておく必要があったことや、妻の療養費用(この時代の女性は絶えず妊娠していた。幼児の死亡率の高さを考えないと…)がばかにならなかったこと、モーツァルト自身の高級嗜好(「美しいものはすべて手にしたい!」と言っていた。そうでなければ!)などもあって、やむを得なかっただろう。
ちょうど景気の悪い時期にさしかかったために、収入が好調さを失ったのが家計炎上の原因と考えられるようになってきているのである。
プフベルクはかなり裕福な商人だったうえ、モーツァルトの音楽の価値を正当に理解する、当時としては数少ない感性を持っていたようで、モーツァルトの望んだ金額のとおりとは言わないまでも、結構な金額を貸してあげていた。
モーツァルトがもう少し長く生きていられたなら、著作権の概念が定着して作品から多額の収入が得られる時代にさしかかっていたろうに…。

さて、借金である。
普通、借金は「悪」と見なされる。
手にした収入と蓄えの範囲内でつつましく生きるのが倫理的だと普通は考えられる。
しかし、現実にはその生き方では、志を成し遂げるために十分な金額を手にする前に人生の若くて元気な時期と体力・精力を使い果たしてしまうのがオチだ。
勤勉さで成功を収めた人の伝記や伝説もあるが、実は成功した例は極めて少ないのであり(だから伝記になる。)、志を果たした人のほとんどはこのタイプではない。
ハッタリにしろ何にしろ、大きな金額を集められるような個性を持つ人が成功、あるいは志を果たしていることがどこの歴史からでも導きだせるように思う。(坂本龍馬にしても…)
そしてたいていは財布から出て行くものも多い…。
借金に追われ続ける人生である場合も多い。
それでも、地道だが少ない収入を手にただただがんばって日々誠実に働いて生きている人(立派な人です。)ではできないような豪放で痛快な経験(楽あり苦ありではあるが)をすることができる、とは言える。
それに人生、どこに終止符があるか前もって知ることはできない。
その意味ではモーツァルトはこれ以上ないほど成功していると言えるかもしれない。
享年35は若すぎると、現代人の私たちは思う。
だが、当時は死は日常茶飯事とも言われ、若くして意外にあっけなく人生を終える人は少なくなかった。
それに現代とは医療や衛生面の技術もまるで違う。
とくに年をとると例外なくさまざまな病気に苦しめられ、年金や医療保険もない中、体力の減退が収入の減少に直結する。
実際、18世紀あたりの人の人生を追ってみると、晩年の悲惨さが非常に目につく。
その点も考慮に入れると、人生の盛りであっけなく死んだ方が、マイナス部分を味わわずに済むわけで…。
まして、モーツァルトは幼い頃から父親にヨーロッパ中を連れ回されたおかげで、さまざまな国の文化を知り、宮廷料理から旅の貧素な惣菜までさまざまな食べ物を味わい、何よりさまざまな音楽を吸収することができ、ビールやワインを愛し、女性を愛し、高級な衣服と住居に包まれ、かつ憂い多いかるべき老年期をスキップして人生を終えているのだ。
もしや、これは究極の「勝ち逃げ」人生では?
あとに残されたのは借金と…
あの素晴らしい作品群なのだから!

だが、無論、こんな人生、勧められない。
こんな人ばっかりだったら、少なくとも日本では社会を健全に保てないと思われる。
いや…そうかな…?
もしかすると、誰もが借金してでも一定のモトデを手にして人生を乗り出すようにしてみたら、あるいは世の中ものすごく変わるかも、とも思える。
まあ、こんな話からここで結論まで行くのは、よしておこうとは思うけど。
関連記事
スポンサーサイト

タグ: モーツァルト プフベルク フリーメイソン 借金 クラシック 音楽

にほんブログ村ランキング
(よろしければクリックしてやってください。)
にほんブログ村 音楽ブログ 編曲・アレンジへ にほんブログ村 漫画ブログ 4コマ漫画へ

コメント

コメントの投稿


非公開コメント

プロフィール

ヨハン・ミズヴィッチ

Author:ヨハン・ミズヴィッチ
33歳にしてクラリネットを始める。
楽器仲間のあらゆる編成に合わせて編曲してしまうのが趣味。
巷にあふれるBGMが大の苦手で、もっと生演奏が街中で聞かれないかと願っている。
その反面、iPod nanoのヘビーユーザーでもある。
最近は4コマ漫画執筆に熱中。

にほんブログ村ランキング
にほんブログ村 音楽ブログ 編曲・アレンジへ にほんブログ村 漫画ブログ 4コマ漫画へ
(よろしければクリックしてやってください。)
カテゴリー
 

HMV検索
検索する

 iTunes Store(Japan)

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
FC2カウンター
リンク
ブログ内検索
RSSフィード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。