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フライング拍手

NHK-BSでクラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団によるマーラーの交響曲の演奏会の模様が放送されている。
70歳代に達したアバドの総決算という感じのあるシリーズで、オーケストラもアバドを慕って世界中から参集して来た名手たちによるもので、さすがに毎回感動させられる。
先日放送された第9番は1時間半近い大曲だが、最後は消え入るように終わる。
最後の音が消え、余韻も消え去って完全な静寂になった。
だがアバドは虚空をつかむような姿勢で、両手を下げずにいる。
聴衆も、奏者たちすらも、居合わせた人々が一体となって静寂を楽しんでいる。
いつまで続くかわからないほど。
拍手で静寂をかき消すのが惜しいと言わんばかりに。
アバドが両手を下げ、ふうっと息をついて楽団員たちと演奏を終えた喜びを分かち合うように笑顔を浮かべた時、ようやく会場は割れんばかりの拍手に包まれる。

だが、実際、ここまで見事に静寂が続くことは珍しい。
消え入るように終わる曲で、鳴っていた最後の音が途切れた瞬間、
「私はクラシックに関して超物知りで、この曲が終わったことを知ってるすばらしい人なのよ!」
と言わんばかりに、直ちに猛然と拍手を始める人がいる。
こういう人がその日一人でも聴衆にいたら悲劇だ。
つられて拍手を始める人が何人か現れる。
だが、聴衆の多くはもっと静寂を楽しみたいと思っている。
この最後の静寂に浸るために一時間半じっと聴いてきたという人もいるのだ。
最初の心ない拍手に追随した人たちは、拍手の少なさに急に弱気になって、一端トーンが下がる。
「しまった!もうひと楽章あったっけ?」
と思ってしまった人もいるかもしれない。
最初の拍手をしてしまった人は周囲から無言の怒りを買っている。
「あっ!バカッ!」
まばらな拍手が空しく響く悲惨な状況。
仕方なく指揮者が苦笑しながら客席に向き直り、ようやく万雷の拍手に。
こういうシーンを見ていると、なんだか、ハラハラしてしまう。

そう。
拍手の開始はできるだけ引き延ばそう!
誰も曲が終わったことを知らない無知だとは思わない。
チャイコフスキーの第5番のような終わり方なら間髪入れず始めた方がふさわしい。
だが最近ではブルックナーの場合は残響が完全に消えてから始めるのがエチケットのようだ。
静かに終わる曲は指揮者が緊張を解くまでいっしょに静寂を楽しもう。

しかし、一番いいのは?

拍手自体を廃止してしまうことかも。
相手を讃えるのに、どうしていつも騒音を以てするのだろう、私たちは。

拍手も歓声もなく、みんなでお互いに笑顔を交わしあって終わる。
なにか奇妙で地味なようだけど、いつかそういう日が来ないかな?



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タグ: クラシック 音楽 アバド マーラー コンサート 演奏会

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プロフィール

ヨハン・ミズヴィッチ

Author:ヨハン・ミズヴィッチ
33歳にしてクラリネットを始める。
楽器仲間のあらゆる編成に合わせて編曲してしまうのが趣味。
巷にあふれるBGMが大の苦手で、もっと生演奏が街中で聞かれないかと願っている。
その反面、iPod nanoのヘビーユーザーでもある。
最近は4コマ漫画執筆に熱中。

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